クリニックと病棟の違いを詳しく教えて!!
↑こんな看護師さんに向けた記事です。
この記事では、「クリニック看護師と病棟看護師の違い」についてお話ししていきます☆
この記事を書いているわたしは、急性期病院の病棟看護師を約3年半経験し、いまは内科・放射線科のクリニック看護師として働いています。
病棟⇔クリニックに転職を考えている看護師さんにとても参考になる記事なので、ぜひ最後までお付き合いください(^^)!!
クリニック・病棟看護師の違い
看護師がクリニックで働く場合と病棟で働く場合の違いを、表にカンタンにまとめてみました↓↓
クリニック | 病棟 | |
---|---|---|
定義 | 入院ベッドが1~19床or無床 | 入院ベッドが20床以上 |
①患者 | 外来患者(入院ベッドがある場合は入院もあり) | 入院患者 |
②スタッフ | 医師・看護師・事務がメイン | 多職種 |
③勤務体制 | 夜勤なし(入院ベッドがある場合は夜勤がある) | 夜勤あり(3交代もしくは2交代) |
④休日 | 日曜日+○曜日(平日)みたいな固定休 | シフトによってバラバラ |
⑤教育制度 | 指導者がつくことは基本的にない。勉強会や研修もほぼなし。 | 1・2年目Nsには指導者がつくのが一般的。定期的に勉強会・研修などもある。 |
⑥業務内容 | 日常生活の援助はほぼなし。医療業務とその他の雑務が多い。 | 日常生活の援助・医療業務が中心 |
⑦求められる能力 | 少ない | 多い |
⑧急変対応 | ほぼなし | 結構ある |
⑨医者との距離感 | つねに一緒 | 電話やコメントでのやり取りが多い |
⑩ワークライフバランス | 良い | 微妙 |
この表だけでは情報不足なので、もう少し詳しく説明していきますね☆
①患者
クリニックは基本的に外来患者、病棟は入院患者さんに対して看護をします。
クリニックでも入院ベッドがある場合は、入院患者の看護も必要!
入院ベッドがあるクリニックの数は年々減っているので、基本的にはクリニック=外来と考えておけばOK!
ちなみにわたしが働いているクリニックも無床です。(興味ないかもですが笑)
②スタッフ
クリニックのスタッフは医師・看護師・事務がメインです。
わたしが働いているのは内科・放射線科のクリニックなので、放射線技師さんもいます。
病棟の場合は、医師・看護師のほかに、薬剤師や理学療法士、栄養士など、いろんな職種のスタッフが働いているので、多職種との連携がとっても大切です。
③勤務体制
クリニックは基本的に夜勤がなく診療時間も午前診・午後診それぞれ時間が決まっているので、規則正しい生活リズムを送りやすいです◎
病棟は基本的に夜勤ありの働き方になるので、生活リズムはバラバラ!
病棟は2交代か3交代かによっても生活リズムが大きくちがってきます。
病棟で働く場合は、2交代と3交代どちらの働き方が自分に合っているのがしっかりと考えたうえで就職しましょう!
④休日
クリニックの場合、日曜+○曜日(平日)みたいな感じで休みの日が固定なことが多いです。
病棟は夜勤があるので勤務がシフトで組まれており、休みの日はシフトによってバラバラ…。
みたいなこともザラにあります(;_;)
⑤教育体制
クリニックは看護師の数が少ないので「指導者」とか「プリセプター制度」みたいなものがない場合が多く、勉強会や研修などもほとんどありません。
病棟の場合は1・2・3年目くらいまで指導者がつくし、勉強会や研修、看護研究などもあり、教育面はかなりしっかりしています◎
実際、わたしは3年目のときに1年目さんの指導者をしていたんですが、そんなわたしにも指導者さんがついていて、定期的に課題を出されていました(・ω・)
⑥業務内容
クリニックと病棟では、業務内容や1日の仕事の流れが全然違います。
クリニック看護師の仕事内容については、【体験談】クリニック看護師ってどんな仕事するの?仕事内容教えますの記事に詳しくまとめています☆
クリニック看護師・病棟看護師の業務内容の違いをカンタンにまとめるとこんな感じ↓↓
クリニック | 病棟 | |
---|---|---|
記録 | 基本的になし | その日の受け持ち患者全員ぶんの記録を記載 |
ADL介助 | ほぼなし | めっちゃあり |
処置 | 採血や点滴など、できる処置は限られている | 術後管理やドレーン管理、ケモなど、高度で幅広い処置がたくさんある |
雑務 | かなり多い | 少ない |
病棟は入院患者さんのほとんどがなにかしらの処置や検査、OPや治療などを受けているので、それに対する看護が中心業務になります。
また、入院患者さんはADLが低下しているひとや安静制限のあるひとが多いので、清潔介助や食事介助、排泄介助などのADL介助が多いのも特徴!
クリニックは採血などの処置のほかに、物品や薬の発注、医療機器の消毒・滅菌、掃除などといった雑務が多いという特徴があります。
⑦求められる能力
クリニックと病棟とでは、圧倒的に病棟のほうが求められる能力が高いです。
病院勤務の医者は日中外来やオペなどで忙しくあまり入院患者のところに来ることができないので、看護師がいかに観察・アセスメントし、異常の早期発見ができるか、ということがとても重要です⚠
なので病棟看護師には、観察力やアセスメント能力、異常の早期発見、医者への適切な報告と適切な指示受けなど、かなり高い能力が必要になります。
⑧急変対応
クリニックで患者さんが受診されているわずかな間に急変が起こる…ということは、ほぼゼロです。
病棟は重症度の高い患者さんや既往の多い患者さんなど、急変リスクの高い患者さんがたくさん入院しています。
なので、病棟では急変対応しなきゃいけない場面も多々あります。
⑨医者との距離感
クリニックは医者との距離感が近いので、医者との関係性を良好に保つことがかなり重要なポイント☆
病棟は基本的に日中医者は外来もしくは検査・OPに入っていることが多いです。
なので、医者とは電話やコメントでのやり取りが中心になります。
⑩ワークライフバランス
ワークライフバランスを重視しやすいのはクリニックです。
病棟の場合は夜勤や残業が多く、土日も出勤のことが多いです。
クリニックは比較的残業も少なく、夜勤なし+土日休みが実現しやすいので、家事・育児との両立がしやすいです。
クリニック・病棟看護師の向き不向き
クリニック看護師と病棟看護師はそれぞれ向き不向きがあります。
- 夜勤はしたくない
- 勉強会や研修が苦痛
- 比較的ゆったりと仕事したい
- 採血やルート確保など最低限の医療処置ができればそれでいい
- むしろ医療処置がなくても全然いい
- 残業はせずプライベートの時間をしっかり確保したい
このような思いを持った看護師さんは、クリニックでの勤務が向いているかも◎
- 患者さんと関わるのが好き
- 給料はできるだけ高いほうがいい
- 日勤が続くよりも夜勤がある方がラク
- 医療行為や処置の介助につくのが楽しい
- 看護師としてスキルアップ・キャリアアップしていきたい
このような思いを持った看護師さんは、病棟での勤務が向いているかも◎
クリニックと病棟それぞれに向き・不向きはありますが、ぶっちゃけ職場によって労働環境はさまざまm(_ _)m
「クリニックだからスキルアップはできない」とか「病棟はプライベートの時間がない」みたいに一概には言い切れません。
クリニックと病棟それぞれの向き・不向きだけにとらわれず、自分の理想の働き方ができる職場かどうか職場自体をしっかりと見極めることが大切です☆
プライベート重視ならクリニック、スキルアップ重視なら病棟
看護師としてスキルアップを目指すなら病棟、プライベート重視の働き方をしたいならクリニックがおすすめです!
- 「自分は看護師としてどんなキャリアをつんでいきたいのか?」
- 「自分が大事にしたいのは看護師としてのキャリアアップ?それとも家事や育児などプライベートの時間?」
こんな感じで、自分が優先したいことをしっかりと考えてみましょう!
そのうえで、理想の働き方を実現できるのはどの職場なのか、ということを自分でしっかりと見極めることが大切です◎
この記事が今後のあなたの働き方を考えるキッカケになれば嬉しく思います。